緞子(どんす)貼り工法

緞子(どんす)貼り工法。

この業界の方でも、あまり聞いたことがない単語です。

これは、壁紙ではなく、布地を、フワフワした状態で天井や壁に貼る工法で、昔からある工法です。

 

今回の工事は、柔らかい印象で、ある程度の吸音性能があって、防火性能を満たした材料で施工してほしいとのご要望でした。施工するお部屋は、聴力検査室のようなお部屋でした。

 

これまでも、緞子貼で布地を貼ってあったのですが、布地の劣化でホコリが舞って衛生的にも悪く、室内が暗いため、施工することになりました。ですので、天井・壁はもちろん、床のカーペットも貼替です。

 

今回の緞子貼は、昔の方法とは異なり、専用のモールなどを使って仕上げる最新の緞子貼り工法です。

この工事は真夏で、窓がないお部屋だったので、現場用のエアコンを入れての作業でした。(それでもかなり暑かったです)

 

また、既存下地の断熱材と、専用モルトン(クッション材)はどちらもガラス繊維で、空気中を舞って肌に付着して、付着した箇所は板痒くなっちゃうので、大変でした。

 

照明器具やスイッチなどは、普通の天井や壁と違ってふわふわしているので、通常のようにきっちり取り付けることが困難です。施工の際は入念な打ち合わせが必要ですね。

 

このファブエース、高級感があるので、こういったお部屋以外にも、ホテルの廊下や客室などにも使用されています。また、ビニールクロスと違って布を貼った状態なので、かなり柔らかい印象にもなります。

 

布地は専用モールに挟み込んだようにして止めるので、将来的には布地だけを貼り替えればいいのでエコロジーな商品ですね。

 

使用材料

川島織物セルコン:ファブエース(FAB-ACE)